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松本歯科大学病院
歯学と医学の歴史

古代ギリシアの医学医療

アスクレビォス信仰

古代ギリシアではオリンポスの神々が信仰され、病気に悩む人びとは医神アスクレピオスAsklepiosに祈りをささげた。
BC6世紀ごろから建てられ始めたその神殿は、ギリシア全土で数百か所にもなり、そこに仕える神官たちが、多くの病人に接するなかで、医療経験と薬草などの知識を蓄え、やがて医師として専門職化していった。

ヒポクラテスの医学

エーゲ海に浮かぶコス島のアスクレピオス神殿の神官の子として生まれたヒポクラテス(Hipocrates,BC460-BC375?)は、ソクラテスやプラトンらの自然主義哲学の考え方を取り入れて、病状の緻密な観察と自然治癒力の尊重など、それまでの神がかり的な医療を改革した。
具体的には、祈祷や呪いを偏重せずに、安静を大切にし、経験を通じて効果が確認されている薬草や食餌療法などを行ったのである。
彼の医学理論では、病気は体液(からだを作る成分基本的には血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁の4種)の乱れであるとする「4体液説」を唱えた。
「からだは体液の乱れを正常にしようとする。それは内なる熱の働きである」。
つまり、からだには「悪いもの」を排出する機能があり、たとえば、創傷は炎症の形で熱が働いて、外来の有害物を消化し、膿の形で排出する…というのである。
ただし、彼は外科的処置(潟血、抜歯、外傷の手当、結石の摘出、手足の切断など)は「高貴な医師」が実施すべきものではないと考えていた。
彼はコス島に医学校を作って多くの医師を養成するとともに、「ヒポクラテスの誓い」により医師の倫理を初めて確立したことで、後世から「医聖」と仰がれている。

ヒポクラテスの誓い

現代でも登院式などで読み上げて誓約させる医学校がある。
内容は大略次のとおり

・この医術を教えてくれた師を実の親のように敬い、自らの財産を分け与え、必要があるときは助ける。
・私の息子たち、師の息子たち、医師の掟を守る誓約で結ばれた弟子たちには、講義その他あらゆる方法で医師の心得と技術を教える。しかし、その他の者にはだれにもそれを許さない。
・自分の能力と判断に従って、患者を利すると思う治療法を選択し、害と知る治療法は用いない。
・頼まれても、人を殺す薬は与えない。また婦人に堕胎用器具を与えない。
・結石摘出手術は行わないで、これを業とする人にまかせる。
・どんな家に入ろうとも、不正を犯すことなく医術を行う。他人の私生活についての秘密は漏らさない。
・この誓いを守るかぎり、私は人生と医術を楽しみ、すべての人から尊敬されるようにしてほしい。しかし、この誓いを破るときには、まったく逆の報いを賜りたい。



引用 松本歯科大学特任教授 笠原 浩 『歯科医学の歴史』
(MDU出版会 2013年 pp.32-34)

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